難治性臀筋跛行に対して高負荷運動療法を行い,軽快を得た1例

われわれは内腸骨動脈閉塞に伴う難治性臀筋跛行に対して,高負荷運動療法を行い良好な経過を得た1例を経験したので報告する.症例は61歳.男性.主訴は右臀筋跛行.既往歴として慢性心房細動,下肢急性動脈閉塞,造影剤アレルギーが認められた.半年以上続く歩行時の臀筋の痛み,疲労感あり当科紹介となった.階段1階分昇降で臀筋跛行の出現を認めた.下肢MRIで右内腸骨動脈の描出不良が認められた.臀筋に高い負荷を与える筋力トレーニングを中心とした運動療法を8週間のプログラムで組み,筋力強化指導を施行したところ,階段昇降時の臀筋跛行は著明に改善し,ほぼ消失した.臀筋に対する高負荷運動療法は非侵襲的であり,その効果も十...

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Published in:日本血管外科学会雑誌 Vol. 29; no. 6; pp. 411 - 414
Main Authors: 白谷, 卓, 上村, 桂一, 徳留, 純平, 坂口, 祐紀, 宮坂, 成人
Format: Journal Article
Language:Japanese
Published: 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 25-12-2020
日本血管外科学会
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Summary:われわれは内腸骨動脈閉塞に伴う難治性臀筋跛行に対して,高負荷運動療法を行い良好な経過を得た1例を経験したので報告する.症例は61歳.男性.主訴は右臀筋跛行.既往歴として慢性心房細動,下肢急性動脈閉塞,造影剤アレルギーが認められた.半年以上続く歩行時の臀筋の痛み,疲労感あり当科紹介となった.階段1階分昇降で臀筋跛行の出現を認めた.下肢MRIで右内腸骨動脈の描出不良が認められた.臀筋に高い負荷を与える筋力トレーニングを中心とした運動療法を8週間のプログラムで組み,筋力強化指導を施行したところ,階段昇降時の臀筋跛行は著明に改善し,ほぼ消失した.臀筋に対する高負荷運動療法は非侵襲的であり,その効果も十分に期待できることから今後の臀筋跛行に対する治療の一つのオプションとなりうる可能性が示唆された.
ISSN:0918-6778
1881-767X
DOI:10.11401/jsvs.20-00049